出展した時にはもう遅い?!海外展示会の効果を高めるには

海外で効果の高い販路拡大方法として注目されている海外展示会。最近は商工会議所や地方自治体からも出展補助金が出たりすることもあり、出展を検討されている方も多いと思います。

海外の展示会は日本のあいさつだけの展示会とは違い、その場でどんどん商談が決まっていくと言われていますが、確かに海外での商談は非常にスピーディーですね!
展示会でお目当てのブースにバイヤーがサッときて、商品の実物を見ながらいくつか質問し、OKと判断したらその場でクレジットカードを切って数ロット発注する……という光景は、よそから見ていてもとても気持がいいものです。

しかし海外展示会での商談は、本当にそんなにすんなり行くものなのでしょうか?

海外展示会のしきいが随分下がったとはいえ、出展費用は数百万ほど必要となることがしばしばです。
そんなにお金をかけて出展するのだから最大限集客効果を上げたいと思っていても、人気のある展示会は始めの数回はなかなかよいブース場所をくれません。
何度か出展してなじみになってから、ようやく人のたくさん通る目立つ場所を割り振ってくれます。

また、いざバイヤーに立ち寄ってもらったとしても何も質問せずに去っていくひやかしだったり、反対にバイヤーからの予想外の質問にあたふたする方も多いようです。

「これは藍染ですか?」
「はいそうです、日本の職人が一つ一つ手作業で染めたもので……」
「オーガニック栽培ですか?混合割合は?」
「??????(・・;)」

これでは商談に結びつきませんね。

展示会に出展した際、ブースにバイヤーを確実に呼び込む。また来てくれたバイヤーとスムーズに商談を行い、お取引につなげる。
そのためには、出展前の入念な準備が不可欠です。

当社の調査では、海外バイヤーの約90%が「展示会に行く前に、インターネットで調べてどのブースを見に行くか決定する」と回答しています
つまり、展示会の本番前に、バイヤーの意志はほぼ固まっているということですね。展示会は実物を確認しに行く場として活用されているのです。

また、取引相手を選ぶ条件として「こちらの必要な情報をすぐに教えてくれる」「質問に対して納得いく回答をしてくれる」「ありのままの情報を公開している」が最重要視されています。これは、日本国内でも同じことではないでしょうか。

買う側の立場に立ってみましょう。展示会で、遠い国から来た全く知らない企業が目立たない位置に出展している――これだけで、そのブースに立ち寄ろうと思う人はほとんどいないと思います。
また、商品に興味が湧いたからいくつか質問しても、要領を得た返事が返ってこない。
後で調べようにも、カタログもWebサイトもない。
こんな外国企業とお取引する人はいないはずです。

「この企業や製品は、インターネットで見たな。会社のWebサイトにもきちんと情報が公開されているし、カタログも確認した。後は実物を見るだけだ」
バイヤーはそう思っているからこそ、展示会での取引がスムーズに進むのです。
展示会の出展にのみ力を入れていては、展示会を全然活用できていないことになります。

海外でも日本でも、ビジネスの基本が信頼関係であることは同じです。
そして信頼関係を得るには、相手が納得いく情報、必要な情報をありのまま提供することが重要です。

この記事の執筆者: 松岡 梨沙

合同会社ジャパンライブデザイン 代表取締役 / 日本事業戦略総合研究所 研究員 2000年よりWebマーケティング業界に携わり、3つのベンチャー企業のスタートアップに参画。その経験を生かし、日本の優れたものづくり企業や地場産業の支援を行うため合同会社ジャパンライブデザインを創業する。 日本の文化、流行、優れた製品情報等を広く海外に伝える英語Webマガジン「Ginkgo Telegraph」を運営。世界30ヶ国で広く愛読されている。 Google

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