与信管理は意味がない?詐欺リスクを避け安全な海外取引を行う方法

皆様の会社では、現在与信管理を行っているでしょうか?
販売先に対して与信管理を行っているところは多いでしょうし、仕入れ先に対しても
「この製品の仕入れが急に止まったらとても困る」
というモノに対しては与信管理を行っているところがあるかもしれませんね。

日本国内の会社への与信管理は比較的簡単です。
取引先へ出向いてヒアリングを行ったり、謄本を確認したり、決算書を見せてもらうこともありますね。

ただ、海外でもそのような方法は可能でしょうか?

海外販売をはじめると、販売先の国を限定しない限り注文は様々な国から入ります。
昨日はアメリカから、今日はインドから、明日は中国から……
その度に「新規取引先だから」と、いちいちアメリカやインドに行くのでしょうか?
そんなことをしていては、とてもコストがかかりますよね。

また「謄本を見せてほしい」「決算書を出してほしい」などと要求しても、海外では法律も書式も違います。
その書類が本当に信用できるものかどうかが分かるでしょうか?

かといって「与信管理は無理だから……」と諦め、何の手も打たずに取引すると、取り込み詐欺の危険があります。
海外取引の際には、日本以上に詐欺には気をつけなければいけません。

「じゃあ、どうすればいいの?」

あなたが受注者の場合、対策は簡単です。
(発注者の場合は後述します)

「代金を全額前払いで頂く」

たったこれだけです。
とても簡単ですね!

「それはそうだけれど……そんなこと言い出せない!」
と思われるかもしれませんが、実は「全額前払い」は国際的な取引では常識です。

海外では日本のような「掛け払い」という習慣はありません。
普通の小売における取引のように「全額前払い」、あるいは信用状による「代引き」が当たり前です。

ですから、堂々と全額前払いを要求してください。
もし相手が理由をつけて応じなかったら、ものすごく怪しいと思って下さい。

これで安心!海外でスタンダードな決済方法

「全額前払いが常識だなんて、外国の会社はそんなに現金を持ってるの?」
と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。

実は海外での法人取引は、法人クレジットカードによるものがほとんどです。
ですから、実際にはあなたの会社も、クレジットカードによる支払いを受けることになります。

「クレジットカードの決済なんて、ウチは対応してないよ!」
「海外では偽造クレジットカードも多いんでしょう?怖くて受けられない」

という方でも、ご安心ください。
決済代行サービスを使えば、簡単にクレジットカード対応ができますし、詐欺カードも警告してくれます。

代表的なものはPaypalです。
http://www.paypal.com/
Paypalは国際的な決済代行サービスで、クレジットカード会社のサービスに加盟しなくても、既にある銀行口座とメールアドレスで簡単にクレジットカードからの支払いを受け付けられます。
また、詐欺の疑いがあるカードが使用された場合は事前に警告してくれます。
手数料は3~5%と少額で、一件につき1000万円程度までの支払いを受けられます。
(利用条件は変更となる可能性がありますので、必ず公式サイトで確認してください)

同様の決済代行サービスがいくつかありますが、選ぶポイントは
・海外からでも使用可能
・詐欺防止システムがついている
です。必ずこの2点を確認してくださいね。

なお、Paypalに加入していると海外への支払いも簡単です。
今後海外からの仕入れを検討されている方にもおススメです。

また最近ではGoogleによる決済サービス「Google ウォレット」が日本対応を行いました。
こちらも海外で使用可能であり、詐欺防止システムにも念が入っています。
Google ショッピングで簡単に使えるところが嬉しいですね。

海外から安全にモノを買うには

さて、次は自分が発注者である場合です。
「全額前払いなんてすると、自分が詐欺に合うんじゃないの?」
「とても重要な商材だから、急に何かあると困る……」
という場合はどうしたらいいのでしょうか?

まず、取引を検討している会社の社名でGoogle検索を行い、その会社の公式WebサイトやFacebook、Twitter、そしてその会社の評判を確認しましょう。
悪い評判ばかりの会社はもちろん、公式Webサイトがない会社、ヒットする情報の件数がとても少ない会社はまず怪しいと思った方がよいです。

その会社の取引先企業についても確認しましょう。Webサイトに取引先名が載っていればそれに基づいて確認を行い、そうでなければ直接問い合わせを行っても構いません。

海外ビジネスでは、取引先に対して直接評判を尋ねるのは常識であり、まったく失礼な行為ではありません。
堂々と「御社の今までのお取引先を教えてください」と要求しましょう。

さらに、主力商材や主力部品なのでどうしても供給力が不安だ、という場合は、直接現地へ行ってのご確認をおすすめします。
その際には必ず工場を見学させてもらいましょう。技術者に同行してもらうとなおよいです。

もちろん、自分が受注者である場合は、外国企業から
「今までの取引先を教えてほしい」
「工場を見せてほしい」
などと言われることがあるかもしれませんが、それは決して疑われている訳ではありません。
むしろ、長く取引をして良好な関係を築きたいと思っていることの表れです。

最初は驚くかもしれませんが、国際常識だと割り切って快く応じ、お取引先にも事情を話して協力して頂くとよいですね。

この記事の執筆者: 松岡 梨沙

合同会社ジャパンライブデザイン 代表取締役 / 日本事業戦略総合研究所 研究員 2000年よりWebマーケティング業界に携わり、3つのベンチャー企業のスタートアップに参画。その経験を生かし、日本の優れたものづくり企業や地場産業の支援を行うため合同会社ジャパンライブデザインを創業する。 日本の文化、流行、優れた製品情報等を広く海外に伝える英語Webマガジン「Ginkgo Telegraph」を運営。世界30ヶ国で広く愛読されている。 Google

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